Most Impressed Discs of 2016 1st-half
全然信じられないんですけど、昨日で2016年も半分終わってしまったようなので、今年の上半期で印象に残った作品を10枚ほど挙げておこうと思います。
よく、今年は豊作だの不作だのという議論がありますが、僕は基本的に常に「豊作だ」と思い続けている方ですね。その方がアンテナ張っていやすいですし、単純に楽しい気持ちで音楽を探せるからって理由からだけですけど。
では。
Kvelertak『Nattesferd』
ノルウェーのKvelertak、3年ぶりの3rdアルバム。トラディショナルな方向性をきっちりと打ち出しつつ、とにかくキャッチー。一見バカな振りして滅茶苦茶ソフィスティケイトされている感じがたまんないですね。今作も全曲ノルウェー語だから何を歌ってるかさっぱりわかんねーけど最高!!
HeatMiser『At Dawn』
礒尾奈加子さんのソロプロジェクト、HeatMiserの1stフル。細かい説明は抜きにしても、自分より10歳以上若い日本人がこんなにも体温を感じさせる音楽を作っていることは全く無視できないし、超可能性感じます。
Whitney『Light Upon The Lake』
まずジャケットが最高にかっこいい。60年代、70年代の音楽にしっかり根を張りながら、その実非常にソウルフルな音楽を鳴らしていて、いま一番クールなインディーロックだと思います。Cullen Omoriのソロを聴いても思ったけど、やっぱりSmith Westernsってとんでもないバンドだったんだな。
おやすみホログラム『2』
直情的だった1stアルバムはこのアルバムへの前振りだったんじゃないかと思うくらい、おやすみホログラムがおやすみホログラムたる強烈な宣誓。最高のオルタナティブ・アルバムだと思うし、歴史的傑作だと思うし、いまじゃないと作れなかったと思うし、いま聴くしかないと思う。
The Florist『Blood Music』
ある程度単一のイメージ、言葉にしてしまえば<シューゲイザー>のアルバムだった前作『Dark Entries』と比較すると、音のイメージからの広がりによって、よりカラフルで懐の深いアルバムになってると思います。曲によってはEngineersやDeafheavenを想起させるものもありながら、The Floristの音の個性はより強さを増していて、美しく気品のあるアルバム。
Dizzy Mizz Lizzy『Forward in Reverse』
もう最高すぎてあまり語る言葉もないんですけど、20年ぶりのアルバムとしてこんな密度のアルバムをこの世に投下できるDizzy Mizz LizzyおよびTim Christensenには尊敬の念しかないですね。2016年のトレンドとは無縁だと思うけど、いまヒットチャートの上位にあるどの音楽よりも強靭で雄弁だと思う。
Nothing『Tired of Tomorrow』
凄いアルバムを作るだろうなぁと思っていたら、その想像以上に凄いアルバムを作ってきたパターンです、これ。音そのものは時に非常に暴力的なんだけど、歌は優しいし包容力があって、ポップスとしても優秀なのにアート性も高い。色んな切り口で何度も聴き返したくなるアルバムっすね。
J. R. Richards『Stripped』
これはもう僕の思い入れ100%なんですけど、ex.Dishwallaのボーカリスト、J. R. Richardsのソロ・アコースティック・アルバムを。内容的には、Dishwalla時代の曲をアンプラグドで歌い直しているだけのアルバムなんですけど、この人のヴォーカルの表現力はマジで世界一だと思っているので、バックトラックがrawなだけに余計に泣けます。
Sherwood『Some Things Never Leave You』
カリフォルニアのSherwood、実に7年ぶりのアルバムにエモキッズならぬエモおじさんである僕も、それはもう歓喜しましたよ。Sherwoodのアルバムがまた作られるとは思ってなかったですしね。内容は文句無しです。このメロディーのキラキラ感こそがSherwoodですから。
Rival Sons『Hollow Bones』
Rival Sonsの5thアルバム。Black Sabbathのラストツアーにお呼ばれしたのはさすがにビックリしたけど、この音を聴けばそれも納得というか、彼らなりのヴィンテージ・サウンドの最高到達点なんじゃないかなと思います。どう考えても2016年の音じゃないけど、俄然クール。