Nicole Atkins 『Slow Phaser』

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Nicole Atkins 『Slow Phaser』

 

US・ニュージャージー出身のシンガーソングライター、Nicole Atkinsの3作目。多彩さを増した彼女の楽曲の魅力を最大限に引き出した充実の1枚だ。

MVも制作されているカントリー風味のポップチューン「Girl You Look Amazing」をはじめ、ハスキーなボーカルが活きる「We Wait Too Long」、重厚なコーラスが印象的な「Red Ropes」に、哀愁漂うオルタナフォーク風の「The Worst Hangover」に至るまで、前作『Neptune City』以上にエレクトロな要素であるシンセサウンドを配しつつ、彼女のハスキーで深みのあるボーカルを味わうことができる本作は、その楽曲の充実もさることながら、サウンドプロデューサーの寄与するところも大きい。プロデュースは前作に引き続きTore Johanssonが担当しており、レコーディングはスウェーデンで行なわれている。Tore Johanssonといえば、The CardigansCloudberry Jamとの仕事で知られる北欧ポップス仕事人。日本でもBONNIE PINKとかカジヒデキのプロデュースでも知られ、渋谷系とも関係の深い人だが、彼のプロデュースワークにより、彼女のサイケデリックでゴシカルな楽曲が暗く重くならずに、むしろ清涼感を感じる仕上がりになっており、実に相性の良さを感じさせる。

2014年っぽさや流行のサウンドとは無縁な気しかしないけど、知る人ぞ知る名盤にしておくにはあまりにも惜しい名盤。

 


Nicole Atkins - Girl You Look Amazing - YouTube