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THE NOVEMBERS 『Rhapsody in beauty』

Best of 2014 Disc Review

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THE NOVEMBERS 『Rhapsody in beauty』

 

THE NOVEMBERSが前作『zeitgeist』に引き続き自主レーベル”MERZ”からリリースした『Rhapsody in beauty』は、ノイズで美しさを表現したアルバムだ。

作品を支配する耳をつんざくようなギター・ノイズは、例えるなら猛獣のようなものだと思う。簡単に手懐けたりはできない暴力的な存在。それをコントロールしたものだけが勝利する戦い。ジミ・ヘンドリックスケヴィン・シールズは、それはもう卓越した猛獣使いなのであって、そんな猛獣に、この作品でTHE NOVEMBERSは戦いを挑んでいる。彼らが尊敬の眼差しを向けてきたBORISdownyもそうやって来たように。一瞬でも隙を見せれば、音楽はあっというまにノイズに飲み込まれる。しかし、そんな重厚なノイズにも埋もれない存在感を主張する美しいメロディーがこのアルバムには存分にある。

この作品におけるノイズとは、ジョン・ケージの「4分33秒」で日常の雑音が音楽として扱われるように、日常そのもののモチーフなのだと思う。そんなノイジーな日常の中にある美しさの表現が、そのコントラストによってより一層際立っている。混沌へと加速する2014年に、ノイズとの戦いに完全に勝利した傑作。