Wacken Open Air 2017 思い出のアクトとかの話
日本に戻ってきてすっかり社会生活に戻ってしまっていましたが、今月の頭に念願だった Wacken Open Air 2017 にはるばる行って参りました。初めての海外フェス体験はこのメタルの聖地に捧げようと意気込んで行ってきたわけですが、まぁまぁいろんなトラブルもありつつ(これは改めて書くけど)、実に最高の経験だったと思います。
日記、あるいはライブレポートの類ではありませんが、ちょっとしたメモ書き程度に印象的なパフォーマンスだったバンドをいくつかピックアップして書き残しておこうかなと。
全体的にどんなバンド見たかとかは、最後につらつらと羅列しておきました。自分用のメモ書き程度のテキストですが、まぁ興味のある人はお付き合いいただければと。
ではー。
Saltatio Mortis
このバンドをこのフェスで見るの本当に楽しみにしてたんですが、いやーもう圧倒的に優勝!!って感じでしたね。
Saltatio Mortis は地元ドイツのメディエヴァルメタルバンド。バグパイプやハーディ・ガーディも交えた編成でのサウンドでの盛り上げ方は圧巻で、さすがメインステージでプレイするだけあるなーという感じ。ヴォーカルの奴はその個性的な髪型&鍛えすぎの肉体で、ドラゴンボールの実写映画なら絶対に主役級に推したくなるような強烈なキャラクターで、うつ向けになってサーフして流されながらずっと歌ってたのとか含めてベストフロントマンだったなと。
とにかく、こういうバンドがメインステージでお客さんを集めて盛り上げてるってのが強烈に Wacken を感じられて最高でした。
Twilight Force
来月にも初来日する Twilight Force 、半ばネタキャラ見たさで見に行ったんですが、完全にメタル・ウォリアーの心の痒いところに手が届いてる感じの最強アクトだったですわ、マジ。
まずメンバーのキャラクターの徹底した作り込みに感心するし、なにより演奏が上手い。このジャンルにありがちなアレなバンドとは全然違う。盛り上げ方だって上手いし、あまりの盛り上がりのせいで曲間に”Twilight Force!! Twilight Force!!”のコールが鳴り止まず、ヴォーカルが「...ちょ、ちょっと喋らせてくれないか...」ってお願いするレベル。
Rhapsody がファンタジーの実写映画版だとすると、Twilight Force はアニメ版って感じの可愛さもある。特にギターの Aerendir はマジ可愛い。
断言しておくけど、来月の来日公演ではあの Sabaton 初来日並みのムーヴメント絶対来ると思います!!
Russkaja
バンド名しかよく知らなかったんですけど、初見のライヴでも完全に好きになっちゃいますね、このバンド。
Russkaja はオーストリアのフォークメタルバンド。と言っても、いわゆるジプシー、ロマ系のバンドといったほうがいいのかも。 ステージ上の(演奏以外の)パフォーマンスもあまりに揃いすぎてて笑えるし、フジロックに来て爆発的な人気を獲得していく Räfven とか Fanfare Ciocărlia 的なポジションというか、まさに酒呑みのための音楽という感じ。
新作からも何曲かやりつつ、Avicii のカヴァーで大きなサークルピット作るのとか完全に楽しかったです!!
Katatonia
今回のラインナップの中でも、個人的には特別見たかったバンドの一つ。
最終日の薄暮の時間帯(と言っても Wacken は日が長いので21時くらい)に聴く彼らの陰鬱なサウンドは芸術的な狂気に満ちていて、方や隣のメインステージで Amon Amarth が男汁たぎるステージを繰り広げている脇で淡々と、しかし優雅に繰り出される新旧の名曲の数々を前に、ただただビールを胃袋に流し込みながら泣いていた日本人が私です。
Paradise Lost 見てても思ったけど、この Katatonia みたいな来日は望みづらいバンドが、普通に準メインステージで75分演奏時間を与えられているってことが、この Wacken Open Air というメタルフェスの実に素晴らしいところ。
Batushka
裏ベストアクト的な感じで彼らを。
いやぁ、フルでは見られなかったんですけど、彼らが演奏しているテントに入った瞬間の「あ、ヤバい宗教の儀式に間違えて足踏み入れちゃった」感は異常。
Batushka はポーランドのブラックメタルバンドですけど、いわゆる”暴虐的”な世界観とは一線を画した”呪術的”な世界観は、目の当たりにすると完全に飲み込まれる感覚があって、演奏がどうとかそんなん抜きにして、体験としてのエグさがありましたね。また観たいです。
その他雑感
初日はまずこのフェスのシンボルである Skyline のステージから。Iron Maiden やら Whitesnake のカヴァーで盛り上げつつ、最後には Doro 姐さんを呼び込んでの"Wacken Hymne (We Are the Metalheads)"という初心者にはわかりやすい"Wacken感"でスタート。その後、Manowar 曲のみ繰り出してくる Ross the Boss でひと盛り上がりした後に Europe 。これは完全にスロットが悪い。地味。そしてステージを移して Aborted の強烈なライヴを覗いた後にメインステージの Accept へ。最新アルバムからの曲を含んで4-5曲やった後にチェコ国立交響楽団を従えてのクラシックセットへ。オーケストラを従えてギターを弾く Wolf Hoffmann は非常に神々しい。そのオーケストラを従えたまま突入した名曲連発の後半戦には心が震える。その後は、Batushka の儀式に立ち会いつつメインステージの Volbeat へ。好き嫌い別れるバンドだとは思うけど、メインステージを堂々と張ってるのは素晴らしいし、実際めちゃくちゃ人気がある。日本では渋谷クアトロでやってたのとかマジで信じがたい。疲れていたので、ちょっとだけ Nile のステージ覗いて初日終了。
2日目はメインステージで Memoriam と Sanctuary をまず見る。Warrel Dane って人はやっぱりカリスマ性高いなと再認識。で、ちょっと空いて Saltatio Mortis 。このステージの素晴らしさは上で述べた通り。実に楽しいし素晴らしい。その後、念願の Paradise Lost の濃厚なパフォーマンスと、Apocalyptica の Metallica オンリーセットを堪能しつつ締めに Emperor へ。この日はセットリストが良すぎた。来日公演も出来れば行きたい。最後に Wolfbrigade を見たかったが力尽きて撤退。これが3日間で最大の無念。
最終日は Possessed のステージからスタート。車椅子でも Jeff Becerra のステージングは格別。朝っぱらからビール煽りすぎました。そこから、Twilight Force に Russkaja と更にビールの進むステージを楽しんで、お待ちかねの Heaven Shall Burn へ。音楽ジャンルに貴賎は無いと思ってるけど、このメタルコアバンドが Wacken のメインステージを張っているのは本当に嬉しい。大掛かりなセットの持ち込みにも気合を感じたし、ビールの売り子がサーフされながらビール撒き散らしてたのとかも最高。あと個人的には、広島の佐々木禎子さんの物語に着想を得ているという"Passage of the Crane"を、1日違いではあるものの、この8月5日という日付のステージで演奏してくれたことはおそらくずっと忘れない。ステージを移して Orange Goblin へ。新作からの曲も披露していたが、彼ららしいストーナーなロックンロールで素晴らしかった。そこから、Insomnium を見て、メインステージの Alice Cooper へ。このステージ終わりに Lemmy(Motörhead) の新しいMV用のシューティングがあって、隣のステージの Katatonia へ。彼らの陰鬱なパフォーマンスに心打たれつつメインステージの Avantasia へ。やはり Tobias Sammet という男の試合巧者ぶりが光る。英語のMCで観客を煽りつつドイツ語MCで笑いを取り、隣のステージで Kreator を待ってる客をイジり倒す。この日のゲストボーカルは Jørn Lande 、Bob Catley(Magnum) 、Geoff Tate(ex-Queensrÿche) に Eric Martin(Mr. Big) 。120分のステージでも飽きさせないあたりは流石という感じ。そして、Kreator のステージが始まる頃に雨が降り出し、最後まで見る体力は無いと判断し、3曲ほど見て撤退。最後の Subway to Sally も見たかったが、こればっかりはしょうがない。
終わり。