2017/7/14 LOSTAGE @ 新代田FEVER セットリスト

LOSTAGE In Dreams TOUR

01. さよならおもいでよ
02. ガス
03. 窓
04. ポケットの中で
05. REM
06. 泡沫の
07. 戦争
08. I told.
09. 僕のものになれ
10. Shoeshine Man

11. RED
12. 人間ロボット
13. 楽園
14. 母乳
15. NAGISA
16. Flowers / 路傍の花
17. SURRENDER
18. BLUE
19. Butterfly
20. ひとり
21. 夜に月
22. Good Luck / 美しき敗北者達

en1. 海の果実
en2. 手紙

wen1. 2:50

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ATATAと愉快な来日バンドたち

※ 自分向け備忘録として下書きに放置していたものを加筆修正してアップします。

今週末(というかもう今日から)Lifted Bells と Annabel の来日ツアーが始まります。

で、7/9 の新代田FEVER公演で我らが ATATA が彼らと共演するのですが、そういえばATATA って結構来日バンドのゲストをやってるよねってことで、これまでの来日バンドたちとの共演の歴史の一部をちょっとまとめてみました。なにかの暇つぶしにでもなれば。

 

The Dismemberment Plan

ATATA 初ライブからわずか3ヶ月、実はこんな著名バンドのゲストをやっていたりするんですね(しかも、もう1つのゲストバンドは the band apart !!)。

The Dismemberment Plan と言えば、93年にワシントンD.C.で結成されたUSインディーロックの至宝。03年の解散後はベースの Eric Axelson が Maritime をやっていたりしましたが、10年に再結成し11年に再来日。当日は過去4枚のアルバムからのベストセレクトのようなセットリストで、本当にビールが進んだのが懐かしいです。このツアーの2/9公演はライブアルバムとしてリリースされているので要チェック。

 

Penfold

  • 2012/7/7 (Sat) @ 吉祥寺Planet K  w/ Staple

すでに解散していたこのバンドを再結成&来日に導いた奇跡の個人招聘ツアー最終日に ATATA が共演。

Penfold と言えば、Mineral(後述)や Christie Front Drive らと共に初期のemoシーンを築き上げた伝説的バンドで、emoってどういう音楽?って聞いてくる人には、たいがい彼らの1stアルバム『Amateurs and Professional』を薦めるのが僕です。

当日の映像ではないけど、ツアー初日の新宿ナインスパイス公演の映像を。3:15過ぎからの展開は何万回見ても飽きない。

 

Screaming Maldini

キーボードの人(@IWASHIxDAKUMI)が出たい!出たい!と騒いでいたら本当に共演することになった Screaming Maldini 最初で最後の来日公演。

この並びだと少し違う文脈のバンドではあるものの、Screaming Maldini はUKシェフィールドの6人組バンド。煌びやかなメロディーに男女ボーカルの掛け合い、変拍子や様々な楽器の音を詰め込んだまさにおもちゃ箱ひっくり返し系のストレンジポップス。

本当に奇天烈な魅力溢れるバンドだったので、解散は残念。

 

Mineral

  • 2015/2/18 (Wed)  @ 京都 GROWLY  w/ LOW-PASS

奇跡の再結成を果たし、バンド結成から20年以上を経て初来日したこのバンドとも京都で共演。正直羨ましい。

Mineral は、その短い活動期間ながらemoという音楽ジャンルの基礎を築いた絶対的存在。現在に至るシーンの流れとか音楽的な部分も含めて、最重要バンドと断言していいかと思います。emo好きでこのバンド聴いてないやつなんて全員モグリ。はぁ、またライブみたいですねぇ...

 

Braid

  • 2015/7/4 (Sat) @ 心斎橋CONPASS  w/ OSRUM

Mineralと同じく、90年代のemo黎明期に活躍したこのバンドの来日公演の大阪公演で共演。

Braid と言えば、何と言ってもこの度来日する Lifted Bells のボーカルでもある Bob Nanna も所属していた伝説的バンド。99年の解散後、一時的な再結成はあったものの、11年に再結成して新作もリリースした上での来日公演でした。自分は東京公演を見たんですが、強烈なバンドアンサンブルが印象的な来日公演だったと思います。

 

The Velvet Teen

  • 2015/11/1 (Sun) @ 仙台CLUB SHAFT  w/  curve, Qurage+tetsu.suzuki (oaqk), -W- (Waikiki Champions)

盟友 curve とともに、The Velvet Teen 来日公演の仙台公演で共演。

The Velvet Teen は、03年の初来日以来何度も日本に来ているおなじみのバンドではあるものの、その歴史においては編成の変更やメンバーの加入・脱退を経ていて、それでもなお屈強なバンドアンサンブルを作品ごとに新鮮な音楽を繰り出してくる最強のオルタナティブ・トリオ。最新作『All Is Illusory』を携えてのこのツアーも、やはり桁違いに素晴らしいパフォーマンスでしたね。

 

Into It, Over It

  • 2016/12/16 (Fri) @ 吉祥寺 WARP  w/ The Firewood Project

malegoat ハジメさんの”the lost boys”招聘公演の深夜イベントで共演。

Into It, Over It は、御大 Mike Kinsella らとやっている Their / They're / There とか、最近新作をリリースした Pet Symmetry での活動でも知られる Evan Weiss のソロプロジェクト。この時はバンド編成での来日ということもあり、迫力あるラウドなサウンドで会場をシンガロングの渦に巻き込んだ驚愕のライブでした。

 

Lifted Bells / Annabel

 

  • 2017/7/9 @ 新代田FEVER  w/ fam, malegoat

で、Lifted Bells と Annabel と今週末共演する ATATA。

Lifted Bells は、上記の Their / They're / There の Matthew Frank や Bob Nanna らで構成されたemoシーンの歴史をぐるっと横断するようなメンバーで結成されたバンドで、一方のAnnabelは、現行のemoリヴァイバルシーンの中でも傑作アルバムを連発している知る人ぞ知る実力派。ともに今回が初来日で、僕含め待ち望んでいた人も多いんじゃないかなーと思います。会場で会いましょう。

 

チケットその他公演詳細はこちらから。

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アイドルとの贅沢な時間

6月30日、”ももち”こと嗣永桃子さんのラストコンサート行ってきました。そのことをちょっと書いておきたくて。

正直、自分は大森靖子さんきっかけでモーニング娘。'14からハロプロに興味持ち出した人なので、Berryz工房のコンサートは一回も見たことがなくて、Buono!だって最後の横浜アリーナを見ただけだし、カントリー・ガールズだって単独のコンサートを見たのは中野サンプラザの1回だけ。そんな超ライト層として、6月30日のコンサートを見ていました。

冒頭のカントリー・ガールズのメンバーとの小芝居に始まり、序盤はベリ曲を惜しみなく披露し、自身の15年間のアイドル生活を総括するように15曲(歌ってはいない「スッペシャル ジェネレ~ション」を入れたら16曲かな?)で構成されたメドレーで会場を盛り上げ、そこから一転してピアノ伴奏のみで歌い上げる「VERY BEAUTY」と「I NEED YOU」。ももち結びを解禁してカントリー・ガールズとしてのここ数年の楽曲たち。

どれもこれもが愛情に満ちていて、全体の選曲としても、これは本当に僕の妄想になってしまうけど、自分自身が最後のコンサートで表現したいもの優先というよりは、お客さんが喜ぶもの、お客さんと一緒になって盛り上がれるもの、お客さんと一緒に思い出を辿れるものを“ももちオンステージ”としてまとめあげた、アイドルとしてのあり方を詰め込んだ隙のないものだったなと思います。

で、ここで書きたいのはそういうライブレポートの類ではなくて、アンコールでの卒業スピーチを聞いていて感じたことについてです。

卒業コンサートではお決まりの卒業スピーチ、手紙を読む形式ではなくマイク一本で語られるつんく ♂さんへの言葉、Berryz工房Buono!の同期メンバーへの言葉、そして最後まで活動を共にしたカントリー・ガールズの後輩メンバーへの言葉。そのどれもが実直でとても美しく、静かに会場を包みます。そして最後に語られたファンへの言葉。そのファンへの感謝として語られた最後の言葉が、自分の心を深く打ちました。

「私は本当に自分が大好きです。(中略)だけど、こんな風に自分を好きになれたのは間違いなくファンの皆さんのおかげです。」

「最後になりますが、私に出会ってくれてどうもありがとうございます。ももち幸せになってねって言ってくれて本当に嬉しかったです。でも、私は見ての通りビジュアルはいいし愛嬌もあるし、それに運まで持ってるから大丈夫です。皆さん、皆さんの方が絶対に幸せになってください。」

いや、この部分にももちのアイドルとしての全てが詰まってると思ったんですよね。

一般的な(TV的な、とでも言うべきか)ももちのイメージは、「自分かわいい」「自分大好き」「ピンクのワンピース」「髪型(ももち結び)」「許してニャン」とかだと思うんですけど、この言葉はそういうある種のナルシスティックなキャラクターとしての発言とはどうしても取れないんですよ。

アイドルがもたらす最大の力は、やっぱり「肯定する力」だと僕は思っています。アイドルを見ていて楽しい、癒されるというのはあると思いますし、その活動の頑張りを通して勇気付けられるってことだってもちろんあると思うんですけど、それ以上に力強いものが「肯定する力」なんじゃないかと。「あなたはそこにいて大丈夫だよ」という存在を肯定するものもそうだし、「あなたの好きなものは最高だよ」という好きを肯定することもそう。

ファンの人たちへのメッセージとして、もちろん「応援してくれてありがとう」って言葉もその通りだけど、それを上回る愛情を込めた言葉が「私は(あなたたちが応援している)自分のことが大好き」だったんじゃないかなって。この言葉って、自分を応援してくれたファンに対する最大の賛辞だと思うんですね。あなたが好きなもの、夢中になって応援しているものは最高だよ、正義だよ、世界一だよって肯定する言葉。もちろん、歌とかダンスとか振る舞いとかスタイルの維持とか、ももち自身の努力の積み重ねの上に説得力を生む言葉だと思うけど、ファンにとって一番愛情を込めた表現がこのメッセージなんだなと思って、正直ホロっときました。

 

また同時に、ある野球選手の引退スピーチを思い出したりもしていました。

2013年10月8日、西武ライオンズ石井一久投手の引退試合でのこと。

石井一久といえば、高卒でヤクルトスワローズに入団し、松井秀喜選手などとの名勝負も繰り広げた三振を奪う能力に長けた左腕投手。2002年にメジャーリーグに移籍してからは、頭部に打球の直撃を受けて死にかけたりしながら4年間で39勝を挙げ、2006年に古巣ヤクルトへ復帰したのちFA権を行使して西武ライオンズへ移籍してきていました。

引退セレモニーでは、球団や関係者、チームメイト、家族への感謝を述べた後、ファンへの感謝のメッセージとして引退スピーチの締めくくりに語られたのがこんなメッセージでした。

「もう一つ最後に。西武ライオンズは本当にこれからもっともっと強い球団になっていくと思います。そして、チームメイトも暖かくて思いやりがあって、向上心豊かな選手ばかりです。皆さんの夢をこれからも西武ライオンズに託しても間違いありません。本日はありがとうございました。」

現地でこのスピーチを聞いて、非常に嬉しい気持ちになったことは未だに忘れられません。自身のプロ野球生活22年間の中で3分の1にも満たない6年間を過ごした西武ライオンズに対して、そのファンへのメッセージとしてこう言ってくれたことが嬉しかった。あなたたちの夢をこれからもこのチームに託しても間違いないって、これはファンに対する最大の謝辞だったと思います。(その後のセグウェイに乗ってのグラウンド一周のインパクトが強すぎて覚えていない人が多いかもだけどww)

 

改めて、”ももち”こと嗣永桃子さんに対しては、今になって本当にありがとうございますって気持ちしかないです。ファンを愛し、ファンに愛された最強のアイドルだったんだなと。

コンサート当日の観客とのやり取りの中で、初めて来たお客さんに対して「間に合って良かった」と言ってましたが、果たして僕が間に合ったのかどうかよくわからないんですけれども、こういうことをブログに書くくらいには間に合っていたのかもしれません。

本当に贅沢な時間でした。ありがとうございました。

Most Impressed Discs of 2017 1st-half

もう6月も下旬ですから、恒例のヤツってことで上半期ベストアルバムを選んでみました。

購入した作品の中からざっと10枚ほど選ぼうと思って見たのですがなんとなく絞りきれず、結局20作品選んでしまいました。この半年間の個人的なリスニング傾向としては、国内の作品を聴く割合がかなり落ちて、ジャンル的にはいわゆるロック・カテゴリーのものをいつもより多く聴いていたのかなーという印象です。PCの前に座っているときは、常に Bandcamp と Spotify はアクティブな状態にしているような状況なので、そこから気になって追いかけたものも多いです(このリストにはあんまり反映されてないけど...)。

20作品選んでちょっと多くなってしまったので、YouTubeのリンクなどは一切貼ってません。その辺はDIYな感じで各自チェックお願いします。

では。

 

『Guppy』 Charly Bliss

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NYの4ピースパワーポップバンドの1stフル。Veruca Salt を思わせるような若干の気怠さを持ったサウンドと、Eva Hendricks のいわゆるアニメ声系統のヴォーカルのマッチングが完璧。特に「Glitter」はこの上半期に聴いた曲の中で一番好きな曲だったかなと。アルバム全体としても超いいです。

 

『Voids』 Minus the Bear

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Minus the Bear 5年ぶりの最新アルバム。抜群の演奏技術をベースにしながらも、今作はとにかく楽曲の充実が凄まじい。冒頭の「Last Kiss」「Give & Take」をはじめ、エバーグリーンで強力なメロディーを分厚いバンドサウンドで支えている感じがとてつもなくエモい。一生聴くと思います。最高です。

 

『Lingering』 Sleep Party People

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デンマークのドリームポッププロジェクト 待望の最新作。これまでは局所的に熱狂的な人気を博していた感もありましたけど、このアルバムで一気にブレイクするんじゃないかなと。Sigur Rós を思わせるような北欧風味の浮遊感はそのままに、ポストロック的というか輪郭のあるビートを持った楽曲もあり、トータルで見て Sleep Party People = Brian Batz という天才を感じてほしい1枚。

 

『Revival』 Vancouver Sleep Clinic

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オーストラリアのミュージシャン Tim Bettinson のソロ・プロジェクト Vancouver Sleep Clinic の1stフル。ポストクラシカルな作風は Bon Iver あるいは Ásgeir を思わせるような寒々しさと透明感があるのに、これをなぜかオーストラリア人が作っているという不思議。「Someone To Stay」をはじめとして、印象に強く残る美しいメロディーの詰まった注目作かと。

 

『Swear I'm Good At This』 Diet Cig

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NYのパンクデュオ Diet Cigの1stフル。女性のギター・ヴォーカルに男性のドラムという最小のバンド構成が鳴らすローファイなポップパンクは変に突っ走ることもなく、Alex の自由なヴォーカルによって多彩な輝きを放っている。12曲28分というアルバムのサイズ感も最高ですね。

 

『Common As Light and Love Are Red Valleys of Blood』 Sun Kil Moon

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Mark Kozelek のソロ作に限りなく近づいた印象のある Sun Kil Moon 最新作。2枚組130分に込めた強烈な社会風刺と Mark のスポークン・ワーズの表現を見るに、これは彼なりのヒップホップなんじゃないかなと思ってます。50歳にしてこの意欲的な創作活動、実に畏れ入ります。

 

『The Dream』 Tashaki Miyaki

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LAのドリームポップバンドの1stフル。ローファイなサウンドとヴォーカル Lucy のキャラクターを活かした名曲の並ぶ傑作アルバム。個人的には The Jesus and Mary Chain を思わせる部分がかなりあるかなと。あと、ジャケットが秀逸なのでLPでの購入推奨の1枚です。

 

『Rocket』 (Sandy) Alex G

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なんだか最近「(Sandy) Alex G」に改名したシンガーソングライターの8枚目。ルーツミュージックに根ざしたスタンスは変わらずに、それでもカントリー色なんかをグッと増した印象で、この天才は本当になんでもできるんだなーと感嘆。これでまだ20代前半とか信じられないですわ。

 

『Hang』 Foxygen

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CAの2人組、Foxygen の2年ぶり4枚目。ブラスバンドの導入や分厚いコーラスワーク、スウィングジャズのテイストも取り入れた70年代感溢れる華やかな1枚。「USインディー」って言葉じゃこのアルバムの何も語れないし、10年後、20年後に「2017年を代表するアルバムってコレだったね」って言ってそうな作品。

 

『Dear Avalanche』 Lights & Motion

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 スウェーデンのミュージシャン Christoffer Franzen のソロプロジェクト Lights & Motionの4枚目。相変わらずあらゆる楽器を弾きこなす彼の圧倒的なミュージシャンシップの高さには驚嘆しかないが、前作と同じく M83 や Animal Collective を手がけていることでも知られる Dave Cooley によるマスタリングとの抜群の相性により、目の前に風景が見えるかのような錯覚を生み出すほどの深みのあるサウンドスケープは圧巻というほかない。

 

『La Divine』 Cold War Kids

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CAのインディーロックバンド、Cold War Kids 3年ぶりの最新作。メンバーチェンジ、レーベル移籍を経て、バンドの最高傑作を作ったなと思います。彼ららしいキーボードをフィーチャーした楽曲の開放感は抜けるように明るく、Cage The Elephant や Portugal. The Man と並んでシーンを支えている重要なバンドだなと再認識。

 

『Good Times』 Mando Diao

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ガレージロックバンドとしてデビューして注目を集めたものの、前々作では全編スウェーデン詞のアコースティックスタイルに完全に振り切ったかと思えば、前作ではサイケデリックなエレクトロアルバムをリリースして世界をドン引きさせてきたMando Diaoの最新作が、それらを全て飲み込んだ果てに生み出された、ある種”セル完全体”とでもいうべき充実のロックアルバムだという事実、超面白くないですか?

 

『公衆道徳』公衆道

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韓国の謎めいた宅録プロジェクト 公衆道徳のアルバム。僕はこの作品、日本でCD化されることで初めて知ったんですけど、聴けば聴くほどいろんな音、ノイズがコラージュされた作品で超素晴らしいと思います。iPodをシャッフルにして聴いてる時、「このカッコイイ曲なんだっけ?」と思って表示を見ると、たいがいこのアルバムの中の曲です。それほどに、何回聴いても新鮮で深く追求したくなる魅惑の1枚。

 

『Heartless』 Pallbearer

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スラッジメタルシーンの雄 Pallbearer 待望の最新作。前作であり歴史的傑作(と個人的には評価している)『Foundations of Burden』と比較しても、ドゥームメタル的な陰鬱さよりもトラディショナルなヘヴィメタル的美学に根ざした曲展開やリードギターなど、ある種の取っつき易さを手に入れている一方で、10分超えの楽曲で聴かせる奥深さの魔力にはやはり抗いがたいものがありますね。Baroness の近作と通じるところが結構あるかも。

 

『BUBBLE』 ヤなことそっとミュート

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ヤなミュー待望の1stフル。2枚のEPの延長に位置していながら、ヤなミュー流のオルタナティブロックの幅と奥行きをさらに広く表現した大傑作かなと。音楽的なアイディアの豊富さと製作陣の経験に裏打ちされた「アイドル x ロック」作品の最高峰。

 

『Everybody Works』 Jay Som

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USのシンガソングライター、Jay Somの2ndアルバム。儚く掴みどころのない、それでも彼女のパーソナリティーをバッチリ反映した10曲は、1曲ずつというよりは10曲並べてずらっと聴きたい感じがあって、これもまたアナログで聴くと味わいが増す1枚。アナログで聴いていると本当にのめり込んで聴いちゃう最高のアルバム。

 

『Crystal Fairy』 Crystal Fairy

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Melvins の Buzz と Dale、At The Drive-InOmarをバックに Le Butcherettes のTeri が歌うという極悪メンツのドリームバンド見参。ATDIの新作も非常に素晴らしかったけど、Melvins のリズム隊を従えてヘヴィーなリフを次々と繰り出す Omar のプレイは、このバンドで新しい魅力を放っていると思う。音楽性としては予想を裏切らず、しかしハチャメチャにブチ切れたものを聴かせてくれる充実盤。

 

ショートショート』 Ribet towns

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京都を中心に活動する大所帯バンド(10人組?)の初音源。グロッケンやマンドリンなども交えたバンドアンサンブルからは北欧を思わせる牧歌的な空気を感じるものの、日本語詞の女性ボーカルをしっかりと音楽の中心に据えており。ポップスとしてめちゃくちゃ良くできた1枚。ライブも1回しか見たことないんですけど、完全にファンになったのでオススメ。

 

『Emperor of Sand』 Mastodon

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もはやUSメタルシーンのメインストリームを突っ走っているアトランタの4ピース Mastodonの最新作。南部っぽい土臭さをまとったギターリフに多彩なコーラスワーク、コンセプチュアルな世界観など、これまでの Mastodon の歩みをこの1枚に凝縮したかのような豊かな傑作。短くまとめてこのアルバムのことを紹介することは難しいけど、いま現在進行形のメタルで究極の1枚なので、とりあえずコレを聴いてくれとしか言えない。

 

『Homey』 Chon

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ごく最近のリリースものですけど、ちょっとこれを挙げないわけにはいかないかなと。最近の Eternity Forever や Arch Echo のリリースにも象徴的な、非常にソウルフルで歌心溢れる”きれいめテクニカルプログレ”の決定盤をChonが作ってきたなーという1枚。圧倒的なギターテクニックをあまりにも正しい使い方で示された僕はただただ素晴らしい素晴らしいと唸るしかないのです。