8otto『Ganges-Fox』

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このリリースを語るときに、<再始動!!>と騒ぐのは個人的にあまりピンと来ていないんです。

いやね、もちろんここ数年、いやここ5年ほどのこのバンドの活動を考えれば大変に寡作だったことはいうまでもないですよ。直近のリリースとしてはFLAKEから昨年リリースした手裏剣12inch(7inch?)『SRKEEN / ANOTHER ONE BITES THE DUST』があるものの、その前となると、2011年の『Uprising/In My Mind』まで遡るわけですから。

それでも、少ないながらもライブ活動を続けてきて、やっぱりバンドはずっと呼吸を続けてきたと思うし、その上でまたこうしてモグラのごとく地上にガバッと顔を出したのがこのタイミングなのかなと思うわけです。

そして、この曲、このリリースには連綿たる必然がちゃんと存在しているという静かなる感動があります。

Gotchプロデュース、only in dreamsからのリリース。もう忘れかけてますけど、8ottoってバンドはかつてはメジャー契約を持っていた時期だってあるわけで、そういった時期も経て今ひとつの作品を世に送り出したこのタッグの関係性の歴史だって、ちゃんと積み上げてきたものでしかなくて、2008年にはアジカン主催のNANO-MUGEN FES.に参加しているし、2014年にはGotchの初ソロアルバムに伴うツアーの大阪公演で共演していて、そういった目に見える共演だけじゃない時間の流れがあって、この『Ganges-Fox』という結実をいま我々が受け取っている、という感動が間違いなくあります。

マエソンのドラムとボーカルで幕を開けるこの曲は、これまでの8ottoのイメージというか、ライブアルバムであるがごとき臨場感とはまた違った生々しさとクールさがあって、でも最後のコーラスで一気に光が射すような開放感があって、肩肘張っていない8ottoのバンドアンサブルの魅力がバッチリ詰め込まれた1曲だと思います。このカッコ良さなら、やがて来るニューアルバムだってどう考えても間違いないでしょう。

本当に嬉しい!! 僕が本当に待ち望んでいたものですよ、これは。